自在ドリルガイドを作る

 できるだけ真っ直ぐな穴をあけるために、何らかの治具で工具を案内するか、傾きやブレを分かりやすくしてドリルの姿勢を補正すると思う。特に、何らかの治具で工具をを案内する場合、ドリルドライバーを支えているボール盤に似た機械や、ドリル(キリ)だけを案内する簡便な道具がある。

 

仕組み

 今回、私は任意の太さのドリル(キリ)であってもピッタリ保持できる、簡便なドリルガイドを作った。太さの違ういくつものドリルを、部品交換無しでガイドすることができる。0~6.5mm径であれば小数点付きの中途半端な太さであっても可能だ。だが、ガイドの高さと設計での都合から、太さ3mm以上、もしくはシャンクが長めのドリルが実用的かもしれない。

 下の二つの写真の通り、中央の三つの部品がスライドすることで真ん中の三角穴の大きさを自在に変えている。真ん中の穴の三辺がドリルと接することで、ドリルの回転軸を固定する。だが、たった三つの接線でしかドリルを支えていないため、大きな捻れ溝を持つツイストドリルを支える能力は高くない。接線として支えるはずだった壁がドリルの溝に落ちてしまうからだ。この欠点を改善するために、ドリルガイドの高さを長くする必要がある。具体的には、ドリルの捻れのリード長さよりドリルガイドを高くするといいだろう。例えば、太さ6.5mmの鉄鋼ドリルを支えるために40mmの高さが必要だった。

浅川権八の「機械の素」第22類、自在チャック・スパナを参考にした。ネジ3・4を回すことで四つの爪2が動き、真ん中の穴の大きさが変化するようだ。浅川さんは四つ爪チャックを図示しているが、3Dプリント誤差があっても確実にドリルを固定するためにドリルガイドを三つ爪にした。

 ドリルガイドの断面が下図の通り。斜めの部分を持つ凧型にすることで、3Dプリントなど寸法誤差や組み立て誤差があってもピッタリ嵌められるようにした。オレンジの厚さを調整することで、3Dプリントの造形誤差や鉄板の厚みによる寸法変化に応じてピッタリ嵌めることができる。嵌め合いが悪くても全てを再プリントする必要は無く、小さなオレンジの部品を調節するだけで嵌め合いを加減できる。ピンクと緑の間の嵌りがきついのならオレンジの厚さを高くし、ピンクと緑の間の嵌りが緩く遊びがあるのならオレンジの厚さを薄くする。ピンクの部品の下方にある斜めが浅すぎてクサビの様に働き、摩擦で固く固定されてしまいやすい。オレンジの部品で奥にはまり込まないよにして、それを防いだ。(角度を変えれば改善されるのにね~)

 

製作

 まず、3Dプリントをする。何度もテストプリントすることは無駄なので、プリント後に調整する方法を設計にどれだけ盛り込めるのか大事だったりするかも。ちょっとズレただけで機能が破綻する設計って避けたいね~

 ドリルで穴の壁が削れないように鉄板で3Dプリント品を保護する。少々面倒だが、亜鉛メッキ鉄板から切り出して使う。偶然、我が家にあった物なので材質に拘りは無い。OHPフィルムに3Dモデルの展開図を印刷し、OHPフィルムを被せた鉄板をポンチで叩くことで、頂点の位置を鉄板に転写する。カッターの寿命なんぞ考えずに無心でガリガリ溝をつけ、溝を何度も折り曲げて金属疲労で切断する。苦労して切り出した鉄板を3Dプリンタ品に張り付けて、良し!!

 

ガイドを使ってみる

 それなりに穴をあけることができた。治具を固定しておけば、太さの違う穴を同じ位置に開けることもできる。だが、ドリルを支える性能は高くなく、ドリルとガイドが接触する力に応じて人間が垂直に補正してやる必要があった。細いドリルだと問題無いが、特にリードの長い太りドリルだと軸がブレてしまいやすい。ドリルガイドと言うより、ドリルから伝わる感触でどの辺が垂直なのか把握するための器具と表現するべきかもしれん。また、太いドリルを支えるために、高さが長くなりがちであり、細いドリルでは長さが足りなくなりがちである点もいまいちだ。

 上手く扱えばそこそこな穴が開き、気を抜くとたちまちドリルがブレてしまい易いビミョーなドリルガイドであった。

 

3Dプリンタでベアリングを作る

 ラジアルとスラスト両方の力を受けることができるベアリングを3Dプリントした。上下に向けた円錐台を交互に並べることで、様々な方向からの力に耐えられるはずだ。

 

 

 シームの出っ張りを抑えるために、意図的に溝を付けてシームの位置を誘導した。また、らせん状の溝の底にシームが生成されるため、シームの溝にコロが嵌ってしまうことも防げるはず。

 

 全ての部品は以下の写真の通り。円錐台のころをビッチリ並べることで保持器を省略した。

 組み立てた結果、十分に遊びを設けると、内外の輪の相対回転運動に応じて転動体が回転した。しかし、遊びが十分にあるのにもかかわらず転動体の動きが鈍くなり、内輪と転動体の間で滑ってしまうことが多かった。PLAの表面で互いに滑っているだけにすぎず、転がり軸受けとして完璧に動作させることができなかった。

 

 ネットに3Dプリンタ製のベアリングの記事を挙げている方は多数いらっしゃるが、それらが転がり軸受けとして動作しているのか疑問である。ただ単にタマやコロの表面で滑っているだけではないだろうか?ツルツルとしたプラスチックに騙されて、「転がり軸受けとして動作している」と誤解しているだけではなかろうか?

私の設計が悪くて、解決策が思いつかなくて、僻んでいるだけです。

みんなすごいな~

Anycubic Kobra 2を使ってみる

 

 

 Amazonブラックフライデーの終了間際に、Anycubic Kobra 2を飛び込みで購入した。偶然にもセール対象商品になっていて、かなり安く購入できたからだ。素人ながらAnycubic Kobra 2の所感について書こうと思う。

 

機種選定

 2023年にプリントスピードが速い機種がいくつか販売された。また、オートレベリングの性能が良くなり、今までより簡単に扱える機種が増えたらしい。そのような機能を持つ低価格の機種が、CrealityとAnycubicとELEGOOの3社から売られている。そのような中から貧しい資金力で購入できる以下の機種に絞った。

Creality Ender-3 V3 SE

・ABSでプリントできない可能性が高いし、フィラメントセンサーが無い

よって、値段の割には機能が削られすぎている印象があったため不可

金があればKEを選択するのもありだったのだが・・・

ELEGOO Neptune 4

専用スライスソフトが推奨され、それ以外のソフトでは扱いずらいと思ったため不可

そもそもELEGOOのセールをやっていなくて、資金不足で不可

Anycubic Kobra 2 Neo

X軸フレームが片持ち支持で不安だし、エクストルーダーの構造が簡素になっている

構造に不安が残るため不可

Anycubic Kobra 2

偶然セール対象になっていた ←ここ重要

ABSはもちろん使えて、汎用的なスライスソフトもOK。特筆して優れた点があるようには思えないが、個人的に欠点が少なく堅実な印象。

よって、上の機種たちと比べてマシという判断

強いて言えば、後から販売されたNeo/Pro/Plus/Maxと比べると無印Kobra 2には型落ちの気配がすることだろうか。

 

組み立てる

 昨今の安価な3Dプリンタは、上に伸びたZ軸でX軸を支えている構造が多い。台座と上部を分離して箱詰めされており、多少なりともユーザーが最終組み立てを行う必要がある。Anycubic Kobra 2もそれに漏れず、同封された工具を使ってそれらを組み立てる。付属のSDカードに入っている組み立て解説動画とユーザーマニュアルを見つつ、適宜に製造元のサイトで調べれば何の問題もない。日本語の文書があって本当に良かった。

 組み立てた後に柱にスコヤを当てると、片方の柱だけ勾配0.7%ほど傾いていた。だがオートレベリングでフレームの歪みを補正してくれるので、極端に歪んでない限り誤差を気にする意味は無いだろう。同じ層をプリントしているにも関わらずZ軸を再々動かして調整していたし、定着不良でもオートレベリングをすると成功した。本当にオートレベリングしているらしい。

 紆余曲折あって、マジナイ的な起工式としてネジ穴のバリを取り除いた。今思えば、家内安全でも願いながらマニ車として回せばよかった。直ぐにオシャカになられては困るから神頼みである。

 

調整し、プリントしてみる

初期設定

 一番初めに、XYZ軸にあるベアリングの偏心ナットやベルトの張り具合を調節しておくべきだ。後で締め直したら、オートレベリングをもう一度やり直すハメになるからだ。ナットやらをどれくらい締めれば良いのか分からないが、各部を上下左右に揺すった時にガタガタ音が鳴らない程度にしておく。

 早速オートレベリングなる機能を使った。ホットベッドの傾きを手で調整する必要は無く、ほんの数分間でホットベッドを測り終えていた。適用前後でテストプリントして比べてみると、オートレベリングをした後は初期レイヤーの定着が良くなった。やはりきちんと仕事をしているらしい。何でもかんでも自動で済ませてしまうから、本当にしっかり定着できるのか確証を得られなくて逆に困る。そのような方は、Z軸のタイミングベルトが仕事をしている様子を見て安心すると良いだろう。

 フィラメントをノズルにセットするために、プリントヘッドのノブを押しながらフィラメントを軽く差し込んだ後、画面で「Filament In」を選択する。フィラメントを人力で押し込む必要が無いので、古いのを追い出してフィラメントを交換するのが楽だった。まあ、「Stop」を選択するまで延々とフィラメントが出続けるのにビックリしたが。

 ユーザーマニュアルの通りに進めていくと、付属のマイクロSD内の「Leveling Test-0.2-14m-5-17.gcode」をプリントするように指示される。このデータで5枚の薄い板がプリントされ、その結果を元にZオフセット調整するらしい。しかし、このデータでは極端なZオフセット値しか判別できず、Zオフセットを大雑把にしか調整できないと思う。そこで、あの有名な船「3DBenchy」をプリントする。ちなみに船の底だけで十分だ。Zオフセットによって底の文字が敏感に崩れたりするから、プリントされた底面の様子を見ながらZオフセットを調整すればいい気がする。文字が埋まったらZオフセットが低すぎて、フィラメントの間に隙間が空いていたら高すぎる。

 

プリント

 やっと準備を終え、付属の「Fdmtest-0.2-2h20m.gcode」をプリントした。細かい事を気にしたらいろいろあるだろうが、個人的には満足な出来だった。どのスライスソフトでどんな設定をしてこのサンプルデータを作ったのか存じ上げないが、ハードウェア的にできることが分かったからだ。だが、プリンタを良く見せるために工夫を凝らしたサンプルデータだと思うから、私がこの性能を引き出せるとは限らない。スライスソフトのパラメータをいずれ調整しなければならないだろう。まあ、廉価版とはいえ、操作に手がかからずプリントが少し早いのは嬉しい。

 下図のような、0.1mmづつ穴の内径を大きくしたモデルをPLAでプリントした。これらの穴にミガキ丸棒を突っ込んでみたところ、突っ込めなくなる径、嵌りがきつくなる径、抵抗なく突っ込める径が、3Dモデルではどれも同じ経だった。それに、0.1mmづつ内径を変えるごとにこれらの変化が生じた。つまり、Anycubic Kobra 2には少なくとも0.1mmの差を区別してプリントできる分解能があり、それを何度も再現できるようだ。ちなみに、表面が0.1mmほど膨らんだり縮んだりする。安定して0.1mmぐらい形状変化するため、予め形状変化を見込んでモデリングすれば何ら問題もないだろう。

 上記の知見は「私の使用環境では」という但し書きが付くモノである。ご自分で実験して戴きたい。

 

Anycubic Kobra 2の注意点

 Amazonの商品説明をよく読んでみると、推奨印刷速度200mm/sを出すためにファームウェアをV3.0.6にアップグレードする必要がある。買ってそのままの状態、つまりV2.9.3では推奨印刷速度が150mm/sだからだ。製造元のサイトにアップグレード用のデータと導入ガイドがある。興味があればどうぞ。

 しかしここで問題になってくるのは、V3.0.6用のPrusaSlicer向け推奨パラメータが公開されているが、V3.0.6用のCura向け推奨パラメータが公開されていないことだ。販売から数ヶ月も立っているのに関わらず未だにそれが公開されておらず、何らかの問題があるのではなかろうかと疑ってしまう。いっそのこと、試行錯誤を経て山のようにあるパラメータを自力で定めていく手もあるが、面倒だしパラメータへの知識も必要だからやめておいた。速度を高めるために加速度制御やらなんやらが行われるため、安易にパラメータを決めると脱調の原因になり得るからだ。

 Anycubicが公開しているKobra 2のCura向け推奨パラメータでプリントすると、致命的な失敗は無くとも見た目が悪くなることがある。フィラメントの種類など使用環境がユーザーによって異なるから一概には言えないが、細かいところまでパラメータが調整されていないようだ。見た目をとても気にするならば、推奨パラメータを下敷きにしつつ自力でパラメータを調整しなければならないと思う。

 

参考

 Amazonよりも詳しい情報が製造元のサイトに載せられている。ユーザーマニュアルや組み立て動画、機種の細かい仕様ついてだ。また、CuraやPrusaSlicer向けの推奨パラメータとその適用方法も載せられている。購入する前に、この機種について多くのことを製造元のサイトで知ることができるようだ。

Anycubic Kobra 2 - 6X Faster Auto-Levelling FDM 3D Printer – ANYCUBIC-US

Anycubic Kobra 2 | Anycubic Wiki

Firmware & Software | ANYCUBIC 3D Printing – ANYCUBIC-US

How to Update Anycubic Kobra Series 3D Printer Firmware | ANYCUBIC 3D Printing – ANYCUBIC-US

 

 

 

 Amazonにせかされるあまり、ろくに調べずに購入してしまった。後悔は無いが反省すべきだろう。

 

デュアルブート環境をクローンする

 

はじめに

 ノートPCのSSD残量が少なくなっため、より大きいSSDにクローンを作成することにした。SK hynix SC311 SATA 256GBからcrucial MX500 500GBにするので二倍弱ほど大きくなる。SK hynixはM.2端子だが、私のボロPCに2.5インチのSATAマウンタを介してで接続されていたので、問題無く交換できる。単にWindowsのクローンを作成するだけなら大したことないが、私のPCはデュアルブート環境だったため手間取ってしまった。初めてクローンに手探りで挑戦して、成功したデュアルブート環境のクローン方法についてまとめる。

 

SSDメーカーのソフトで失敗

 最初は、SSDメーカーのAcronis True Image for Crucialでクローンを作成しようとした。CrucialのSSDを買ったからだ。ソフトの指示に従い、パーティションの大きさを調整するために手動で変更する感じで。その新しいSSDWindowsを起動できたが、Windowsの回復パーティションの表記が変になったり、GRUBから先を実行できずUbuntuが立ち上がらなかったりした。また、EFIシステムパーティションWindowsパーティションのナンバリングが逆になったり、各パーティションのUUIDが勝手に変更されたりしていた。Acronisの手動モードでパーティションを調整すると、まるっきりそのままのクローンを作成できないらしい。

 よって、Acronis True Image for Crucialでのクローン作成に失敗してすまった。ちなみに、そっくりそのままクローンを作成し起動できても、パーティションを移動できずに空き領域を活用できていないなら失敗と変わりはない。

 

クローンに成功した手順

 試行錯誤した結果、パーティションを拡張したクローンを正常に作成することができた。私が成功した方法は、主に2つ手順に大別できる。

  1. デュプリケーターで寸分違わぬクローンを作成する
  2. クローン後の新しいSSD環境でパーティションを編集する

 

1. デュプリケーターで寸分違わぬクローンを作成する

 クローン元のSSDをPCから取り外し、新しいSSDと伴にデュプリケーターにセットする。デュプリケーターの使用手順に従って、新しいSSDに寸分違わないクローンを作成する。デュプリケーターで寸分違わないクローンを作成すると、新しいSSDの後側に未割り当てが残ってしまう。これを次の手順で解決する。

古いSSDを挿している画像が無かったからこの画像で許して

 

2. クローン後の新しいSSD環境でパーティションを編集する

 新しいSSDをPCに取り付けて、WindowsUbuntuが起動するかどうか確認する。下手をしていなければ、どちらのOSも問題なく起動できるはずだ。

 SSDの後方に未割り当てが残っているので、パーティションをずらしたり拡張したりする必要がある。ここで問題となるのは、Windowsの「ディスクの管理」ではパーティションを後方にずらせないこと、起動しているOSつまり自分自身のパーティションを移動させられないことだ。そのため、デュアルブートとは別の一時的なOS、つまりブータブルUSBからパーティションを編集した。私は、Linux系OSのGPartedという編集ソフトを使った。GPartedでパーティションを編集する時、パーティションをアンマウントしないと移動できないから気をつけること。ちなみに、一時的なOSにboot-repair-diskを使った。このOSにはGPartedが標準搭載だし、ブートローダが壊れた時に役に立つからだ。

 

3. その結果

 パーティションを編集したあと、WindowsはもちろんUbuntuも問題なく起動できた。Windowsパーティションの拡張にも成功したと思う。クローンに入れ替えてから数週間たつが、はっきりとした不調は未だ無い。私は能無しなので不調になっても気づかないだろうが。パーティションを編集した直後にWindowsの「システムのプロパティ」を確認すると、復元ポイントが無くなっていた。回復パーティションの位置をずらしたのが原因だろうか?Windowsの指示に従って手動で復元ポイントを作成して、良しとする。OSが損傷した時に、問題なく復旧できると信じたい。

 

旋盤自作のための旋盤の歴史(History of Lathe, for DIY)

 

 

はじめに

 未だ空想止まりだが、古い時代の廃れた技術いわゆるローテクノロジーが現代のDIYに資するのではないかと思っている。ものづくりをする時、目的を達成するために利用できる技術はいくつかあるはずだ。皆さんはそれらをネットやら何やらで先例を探し出し、参考にして自分のものづくりに役立てているはずだ。それと同じように、歴史に埋もれた昔のアイデアから何かを得ることができるかもしれない、そのような期待をしている。

 ちなみに、「アイデアの源を過去に求めただげであって、正確な歴史観を獲得し妥当性のある解釈をするためではない」ことに留意してほしい。

 

 

旋盤の歴史

手引ろくろ

 紀元前300年の古代エジプトの壁画に、手引ろくろが描かれている。これを使うには2人必要で、一人がロープでワークを回し、もう一人が刃物でワークを削る。ワークを回す人がロープの両端を片手ずつ持ち、ロープを片方ずつ交互に引くことでワークが順回転・逆回転を繰り返す。ワークを削る人は、ワークが順回転するのに合わせてワークに手工具を押し当てて削る。

古代エジプトの手引ろくろ

 

 

弓旋盤 Bow lathe

 古代エジプト?のような時代に、このような弓旋盤も使われていたらしい。この旋盤は手引ろくろとは異なり、一人でも操作できる。弓の弦をワークに巻きつけ、弓を前後に動かすことでワークが順回転・逆回転を繰り返す。ワークを削る刃物は、まだ手工具だと思われる。手で弓を引くため刃物を片手で使わざるを得ず、操作は異様に難しいのではないかと思う。

古代エジプト?にあったかもしれない弓旋盤

 

 

棒旋盤 Pole lathe

 手引ろくろからしばらくたって、足を動力とする棒旋盤が発明された。少なくとも13世紀に、棒旋盤の最も?古い記録としてシャルトル大聖堂のステンドグラスに残っている。手引ろくろや弓旋盤と比べると、この棒旋盤は少しばかり大きくなった。足元から天井まで部品があるからだ。足元の踏み板から天井のたわむ棒までロープが伸び、ロープの中ごろでワークに巻きつけられている。踏み板を踏むとロープに引かれてワークが回り、踏み込みをやめると棒の弾力に引かれてワークと踏み板が元の位置に戻る。これを繰り返すことでワークが順回転・逆回転を繰り返し、丸く削り出すことができる。棒旋盤を足で動かすことによって、ワークを削る刃物を両手で扱えるようになった。だから、弓旋盤と比べても、一人で加工しつつも操作性はかなり改善されているように思える。

棒旋盤

 

 当時の西洋の職業を紹介した本で棒旋盤を使った旋盤工?が散見される。1694年にオランダのヤン・ライケンによって出版された「人間の職業」に、下図の旋盤職人が載っている。江戸時代の蘭学者はこの本をご存知だったようで、司馬江漢はこの本の別の版画(旋盤ではなく籠作りの版画)にとても良く似た絵を描いたらしい。蘭学を通じて日本の旋盤に影響があったのか無かったのか、明治維新後のリープフロッグ現象で一足飛びに旋盤が変化したのか気になりますね。

 

 棒旋盤の動力でいくつか派生があったらしい。ワークを巻き戻す弾力の元となる棒の代わりに弓を使ったもの、弓だけではなく弓の弦の捻りも弾力として活用したもの、棒を上方に配置するのではなく機械の下部に設置して棒と踏み板をBeam(梁・てこ)を介してつないだものなど。

 

 

レオナルドの旋盤

 15世紀後期に活躍したレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿には、より改良された旋盤が描かれている。描かれた旋盤の改良点は主に2つある。1つめは、クランクで断続的な足踏みを連続した回転運動に変え、ワークが一方向に回転し続けることで絶え間なく切削できるようになったこと。2つめは、断続的な足踏みや切削を受けても回転が止まらないようにフライホイールが取り付けられたこと。特に2つめのフライホイールは、主軸が一方向への回転運動を続けるからこそ効果的になった工夫だ。

レオナルドの旋盤

 

旋盤の転機

 1800年頃、ヘンリー・モーズリーは現代の旋盤に直結する旋盤を作り出した。切削工具を機械化する刃物台やそれを機械的に操作する送り台、主軸と切削工具の運動を同期させ、歯車を変えることで任意のピッチのネジを作れるネジ切りが組み込まれている。これらの仕組みはモーズリー以前に発明され既に使われていたが、汎用旋盤としてこれらを結集させた点でモーズリーが有名である。だから、ヘンリー・モーズリーは工作機械の開発者の先駆けであり、科学的成果や想像を実現させる手段をもたらした偉大な人物の一人だ。ちなみに、蒸気機関を改良したかのジェームズ・ワットも、簡便ながらもこれと似た旋盤を所有していた。

ヘンリー・モーズリーの旋盤

 

 

日本

 大して調べていないので選択バイアスかもしれないが、アジア圏と西欧圏の古い旋盤(手引ろくろや棒旋盤)に違いがあるように思える。西洋ではワークにロープを巻きつけているが、日本ではワークを取り付ける主軸にロープを巻きつけているように思える。西欧では棒旋盤が使い続けられたのに対し、アジアでは手引ろくろやその派生型が使い続けられた。アジアでの手引ろくろの派生型とは、右図のように主軸に巻きつけられたロープの両端を、足と踏み板で交互に引っ張る形式である。また、西洋では回転体の側面を加工する外周加工が多く、江戸時代とかの日本ではワークを片持ち支持した端面加工が多い気がする。

 

 日本機械学会が認定している機械遺産に、伊藤嘉平治が明治初期に作った足踏み旋盤がある。彼が作った旋盤は左図で、土台の木を除き金属で作られている。旋盤の実物が明治村に、その複製が東京工業大学に展示されている。ちなみに、この時代の旋盤はオランダ語のdraaibankに由来する「ダライ盤」と呼ばれていた。江戸時代にもてはやされた蘭学の残り香を感じるエピソードだ。

 島津製作所 創業記念資料館に、右図のような旋盤が展示されている。京都の舎密局に勤めていたゴッドフリード・ワグネルが、1875年のウィーン万国博覧会から日本に持ち帰ったものだ。ワグネルが京都を去るさい、理化学機器の修理で交流のあった島津源蔵にこの旋盤を譲ったらしい。1875年当時、全金属製の旋盤が作られるようになってからもう半世紀以上経っているため、ワグネルから譲り受けた旋盤は最新鋭でも何でもない。例えば、この旋盤は木を基本的なフレームとし、ベッドの上部や軸受や軸のように激しく擦れ合ったり動いたりする部分が僅かながら金属でてきている。例え当時の最先端ではなくとも、当時の後進国である日本の民間企業にとっての価値はどれほどだっただろうか?ちなみに、その複製が東京工業大学に展示されている。

 

 

仕組み

 「ローテクノロジーDIYに応用する」なんて大言壮語を吐いたのだから、昔の旋盤の構造について雑にまとめようと思う。時代を遡るほど機能が少なくて構造が単純になっているように思える。だから、各々の技術レベルに応じ、参考にする時代を選べば何か良い知見を得られるかもしれない。また、時代を遡るほど旋盤を作るのに必要な社会資源も単純になっていく気がしている。例えば、近年の機械は工作機械を前提とした構造になっているが、古い機械だと手工具と多大な忍耐で製作可能(工作機械が殆ど無い時代でも機械を作っていたのだから)な構造もあるように思える。

 

主軸

 太古の軸受は、先の尖った錐体(Cone)を凹みで受けるピボット軸受である。古い旋盤にはこのピボット軸受が使われており、2つのピボットでワークを挟むことで、2つのピボットを結ぶ直線を中心とした回転運動に制限できる。この保持方法は、古代から近代の棒旋盤まで長い間使われ続けたようだ。

 

 18世紀中ごろ、旋盤の軸受として下図が描かれた。右側の軸受は、方形のU字に二つ割りの滑り軸受をはめ込む構造になっている。その滑り軸受は軸より軟らかい真鍮でできている。軸受が摺り減ると配置を変えたり軸受そのものを交換できたようだ。この時代の主軸は、スラスト方向の力を主にワークから離れた軸受(この図で言えば、左側の軸受)で受けていた。この図では左側がピボット軸受だが、主軸を支える2つの軸受が両方とも二つ割りのすべり軸受になることもある。残念ながら、二つ割り滑り軸受の孔をどうやって作り出したのか全くわからなかった。

 

 19世紀中ごろ、I.Babbittがバビットメタルという軸受合金を発明した。このバビットメタルには、鉄の熱処理に喧嘩を売りそうな面白い軸受の作り方がある。それは、軸を中子として、滑り軸受を取り付けたいフレームと軸の間に溶かしたバビットメタルを流し込む方法だ。軸を中子にして鋳造するため、工作機械や職人技が無くともバビットメタルに丸い穴を作り出すことができる。鋳造のためにフレームや軸に熱が伝わり、熱変形や熱処理がオシャカになってしまうため、あまり良くなかったらしい。

 

 時計旋盤や古い卓上旋盤、古い木工旋盤には摩耗によるガタツキを抑える工夫うが施されていた。それは、すべり軸受をテーパー状にしてネジではめ合いを調節できるようにしたことだ。下の左図は、ヘンリー・モーズリー及びその後しばらく使われ続けた小型旋盤の軸受だ。下の右図は、現代の時計旋盤にも使われているらしい軸受の構造だ。時計旋盤のフレームにテーパー状の穴が開けられており、テーパーの外形をしたブッシュをそれに押し込んで内径を縮め、主軸とのはめ合いを調節するらしい。

 

 

ベッド

 中世から近世までの棒旋盤や他の機械の記録をいくつか漁っていみると、ベッドの中心線に沿って長孔が開いているベッドが散見される。古い棒旋盤の多くは、木で作られたこの形のベッドだったのではないかと思う。1480年のMittelalterliche Hausbuchにはネジ切り機械が描かれており、少なくともこのネジ切り機械には長孔を持ったベッドあるようだ。長孔を作るために2本の角棒を隙間をあけて並べたり太い角材に手工具で長孔をあけたり、いくつか方法があると思う。だが、昔の資料から詳細な機械の構造を推し量ることは困難だったので、長孔の詳細な構造を区別しないでおく。ベッドに長孔があることで、主軸台や芯押し台や刃物台を移動させ、ネジやクサビといった締結部品で任意の位置に固定できる。そのため、ワークの全長や加工位置に応じて芯押し台や刃物台を動かして、任意の形状を作りやすくなっている。

 

 1800年頃、ヘンリー・モーズリーは三角形の棒材をベッドとした全金属製の旋盤を制作した。この旋盤は、「交わる2つの平面を持つ」ベッドが真直度の基準となっている。モーズリーが作った旋盤の真直度は、正確な平面を持った定盤に基づいているらしい。そして彼の定盤はコンパウンドとキサゲを使った三面すり合わせという技法で作られ、これまでの旋盤より一層「真っ直ぐ」であることに気が払われたのかもしれない。※(ヘンリー・モーズリーが定盤を使ったかどうかについての情報が錯綜していて、情報の真偽は不明です)※。モーズリーは三角棒1本だけのベッドに限らず、2本のベッドの旋盤も複数作ったようだ。ちなみに、測量機器メーカーであるジェシー・ラムスデンがモーズリーより前に三角棒のベッドを使っていたので、モーズリーが始めてではない。

 

 モーズリーが旋盤を作る前や作って間もない時代、大きくて太い石材や木材の上に弱々しい鉄の棒を載せる構造のベッドも作られていた。それは、鉄以外の素材で力を受けて構造を支え、刃物台や主軸台を載せる表面だけに鉄を使っていたようだ。


 モーズリーが近代的な汎用旋盤を作り出してからしばらく経った頃、前後の2本の角棒を繋いだようなベッドが登場した。。手前と奥2本の滑り面を1つの鋳物に作り出したベッドだ。モーズリー自身も一体化したベッドを作成している。その後、ベッドの断面が工夫され、多くの種類のベッドの形が考え出された。2つの山を持つベッド、山と平らな面を持つベッド、上面が真っ平らでアリミゾのような英型のベッド、複数の山を持つ米型のベッド、英型と米型の折衷案としてのナローガイド型のベッドなど。

 

 ワークを回転させて切削するため、旋盤は回転体を削り出すのが得意だ。回転体には銃砲のような細長い棒状・機関車の車輪のような円板など様々な形があり、ワーク形状の合わせて正面旋盤といった特殊な旋盤が必要だ。一般的な汎用旋盤は振り(ベッドに接触しないワークの最大直径)が大きく無く、径の大きい円板を切削することができない。どうやら、径の大きい円板を加工できるようにした旋盤が考え出されていたらしい。

 まず、主軸近くのベッドを凹ませた、柄杓の形をしたベッドだ。ベッドにあるこの凹みを「切り落とし」と呼ぶ。切り落としで径の大きいワークを振り回す事ができ、1つの旋盤で加工可能なワークの種類を増やすことができる。ちなみに、日本機械学会が定める機械遺産に認定された、最も?古い国産旋盤である池貝工場製第1号旋盤もこの切り落としを持っている。

 主軸台と心押台の間にワークを設置するが一般的だ。だが、心押台とは反対の主軸に(下図の左端に)、つまり旋盤の外側にワークを取り付ける旋盤もあったらしい。外側までベッドが伸びていないため、径の大きなワークも加工できたはずだ。

 

刃物台

 現代では、でっかいノミに似た手工具を使うのは木工旋盤ぐらいだと思う。そして、送り台に固定したバイトで金属を削るのが普通だ。だが、19世紀以前は、金属でさえも手工具で切削していたようだ。金属を切削するための手工具はL字に曲がった形をしており、上が平たくなっている刃物台に工具の角を載せ、てこの原理で金属の大きな切削力を受けるようになっている。L字の手工具を使った金属の切削法は、少なくとも1701年のシャルル・プルュミエの「旋盤の技法」に載っている。

 

 手工具に生じる切削力に耐え刃先のブレを抑えるために、手工具を支える刃物台が必要だ。まず、古代エジプトの旋盤のように、旋盤の端から端まで伸びた棒状の刃物台もあったらしい。全長のどこでも刃物を置けるから、一見便利そうに思える。現代で見かけないのには何か理由が有るのだろうか?次に、現段の木工旋盤のような刃物台だ。ベッド上を自由に位置と向きを調節できる。

 

 ヘンリー・モーズリーは、刃物を機械的に支えて制御する刃物送り台を作った。Blenderモーズリーの旋盤をモデリングしたので、刃物送り台をご覧いただきたい。

 蒸気ハンマーを発明したジェームス・ナスミスが、19世紀中ごろに下図を描いた。当時の手工具と刃物送り台それぞれの作業の様子を並べて描いた、新旧の技術の違いをよく表した絵だ。両足を踏ん張って両手で手工具を操っている人に比べ、片手をポケットに突っ込んで棒立ちでハンドルを操作している、両者の違いを活写しているように思える。

 

 刃物送り台にはアリ溝の直線案内が使われている。現代のアリ溝の作り方はアリ溝カッターでブロックから削り出してしまうのが普通だと思う。だが、複数の部品を一つ一つ手仕上げで加工し、それらを下図のように組み合わせてアリ溝を作っていたこともあるようだ。機械加工や手仕上げのように、加工方法の違いによって設計が変化しているように感じる。

 19世紀には、このような自動送り装置も考え出されていたらしい。

 

動力

 ワークと工具の間に切削力と相対運動が生じるのだから、旋盤を動かし続けるためには何かしらの動力が必要だ。古くは、手引ろくろの人の手や棒旋盤の人の足が動力となり、その動力を拙い機構によって順回転と逆回転を繰り返す断続的な回転に変換した。早く回転させることができなかっただろうし、断続的に逆回転したときに切削できなかっただろうから、手引ろくろや棒旋盤によるタイパは低かったと思う。その断続的な回転に比べ、連続回転によってタイパは相当改善されたのではなかろうか。

 

 足踏み旋盤の動力部には、足踏みの往復運動を回転運動に変える仕組みが必要だ。そのための仕組みとしてクランクという仕組みが有名だが、それ以外も方法があったらしい。それは、Eccentric(偏心プーリー)とベルトを使う方法だ。クランクの代わりに偏心プーリーを取り付け、踏み板にはプーリーがはめ込み、偏心プーリーと踏み板のプーリーの間にベルトがかかっている。ベルトとプーリーを介して繋がっているため摩擦が抑えられているが、ベルトが伸びやすくて操作感に影響があるらしい。20世紀初頭の木工機械のカタログをいくつか見たところ、普通のクランクと比べ、偏心プーリーを使った機械が少なかった。この機構はさほど採用されていなかったように思える。

 

 ワークの材質や外径によって、切削力から生じる抵抗トルクは大きく異なる。金属のように硬くて外形が太ければ大きなトルクが必要で、木材のようにやわらかくて細ければ小さなトルクで十分だ。ワークを削るのに必要なトルクに調節し、余剰のエネルギーで増速させて作業スピードを向上させるために段車が使われた。段車とは外形が異なるプーリーを階段状に一体化したもので、任意の経のプーリーにベルトを架け替えて使う。

 

 18世紀中ごろに出版された百科事典「百科全書」には、手回しの大きな車輪を動力源とする旋盤が載っている。この百科全書には他にも、同様の大きな車輪や水車を使った回転砥石、水車動力の鍛造大型ハンマーが描かれている。それらのように、動力を分離し外部化し、作業者を分業し各々専念させるような、効率化を求める工業化の片鱗なのかもしれない。

 

 電気モーターが個々の機械に取り付けられる前、蒸気機関や水車の動力をラインシャフトとベルトで機械に分配していた。プーリーの間を平ベルトで繋ぐのが最も普及したようだ。その平ベルトを巻きつけるプーリーは面白い形状をしている。ベルトがプーリーから外れないようにプーリーの溝にベルトを添わせるのではなく、真ん中が膨らんだ和太鼓のような形をしている。ベルトが外れやすくなるように思えるが、逆に外れにくくなるらしい。

 

おわりに

 時代を遡ると、現代的感覚で言えば「拙い機械」でものづくりをしていたことに驚かされる。現代にはそれらより優れた点の多い市販品が溢れているが、チョット使ってみたかった・興味があっただけで数十万円もする市販品を購入するのは酷なことだ。だから、過去の設計を参考にして拙い機械を自作してみるのも悪くないのではと思える。旋盤の歴史の一端を知ることで現代の先入観を脱却し、制作意欲と想像力の足しになったら嬉しい。

 ちなみに、私はワナビーを脱却できていなくて落ち込んでいます。

「実用メカニズム事典」の類書たち

 Project Gutenbergで公開されているE. S. Fergusonの「KINEMATICS OF MECHANISMS FROM THE TIME OF WATT」から持ってきた画像だ。

 ご覧のように、メカニズム・仕掛け・からくり・機構についての文献や機構模型やサイトについて紹介したい。死蔵していた情報の供養も兼ねている。

 

文献

図鑑

図鑑と思いたくなるほど、沢山のカラクリが図示されている本を紹介する。

  • 実用メカニズム事典、岩本太郎

この類の中でかなり新しい本だ。ネット通販が普及した後の本だし、ずいぶん好意的なコメントが集まっている気がする。表紙の通り101個からくりが載っていると思う。

比較的新しい本だから、書店やECサイトで新刊が入手できる。

 

1912年明治45年に初版が出版された古い本だ。重版が何度も行われ、復刊の要望もあったらしい。「新編機械の素」という書名で豪華な体裁での復刊もされたこともある。数え間違えがなければ、723個からくりが載っていた。

現在最も入手性が良い復刊は、伊藤茂の「メカニズムの事典」だと思う。また、国立国会図書館デジタルコレクションでログイン無しで閲覧可能だ。加えて、「新編機械の素」が国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。

 

  • カニズム、別役万愛

1937~1955年あたりで初版が出版された古い本だ。少なくとも1990年までに19回も重版したのを確認している。東京堂の出版年鑑 昭和13年には、以下の紹介文が載っていた。

「専門学校程度を標準として機構二千数百種を選び図解す」

この紹介文にもとづけば、二千数百種ほどの機構が紹介されていることになる。入手してみたら、550ページに渡り機構の図と少しの説明文が並んでいた(実際に数えていないがからくりが沢山あるのは確か)。

国立国会図書館デジタルコレクションで、個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。

 

  • 応用機構学、服部敏夫

1968年に日本で初版が出版された。少なくとも1987年までに10回も重版したのを確認している。この類の本の中で比較的新しく、著者が計測系の著書を多数出しているためか、からくりに加えて真空管を用いた電気電子的な機構や計測器の機構が載っている。からくりの具体的な個数は知らないが、沢山あるのは確かだ。

国立国会図書館デジタルコレクションで、個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。

 

  • 機械機構学、山本福一

1957年に日本で初版が出版された。少なくとも1969年までに13回も重版したのを確認している。数え間違えがなければ、287個からくりが載っていた。

国立国会図書館デジタルコレクションで、個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。

 

  • 機械運動機構、芦葉清三郎

1957年に日本で初版が出版された。ちなみに、「機械運動機構1422」という書名で台湾向けに出版されたこともあるらしい。掲載されているからくりの総数が書名に載っていると仮定すると、この本に載っているからくりの数は1422個なのかもしれない。この本を入手してみると、からくりが多数紹介されており「機械の素」と似た印象を受けた。この本は、著者が以前に出版した「機械運動」の増補改訂版らしい。

国立国会図書館デジタルコレクションで、個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。「機械運動」も同じく閲覧可能だ。

 

  • Five Hundred and Seven Mechanical Movements, Henry T Brown

1870年頃が初版だと思われる、かなり古い本。英語圏での知名度はかなりあるのではなかろうか。からくりに1つ1つに通し番号がついていおり、からくりが全部で507個載っている。

「507 Mechanical Movements」という書名で、英語圏の出版社が重版し続けているから、復刊の入手性は高い。本をデジタル化したモノが外国の電子図書館で公開されているから、わざわざ買わなくても内容を読むことができる。外国語訳として、台湾の「圖解507種機械傳動」、フランスの「507 Mouvements mécaniques」、ドイツの「507 Bewegungsmechanismen」が出版されている。このドイツの本は外国の電子図書館で公開されている。

 

  • The Engineer's Sketch-book of Mechanical Movements, Thomas Walter Barber

1889年頃が初版だと思われる、かなり古い本。ちなみに、「圖解2603種機械裝置」という書名で台湾向けの復刊がある。復刊したときの名前を参考にすれば、2603個ほどからくりがあるはず。また、「A Victorian Handbook of Mechanical Movements」という書名でDover Publicationsが復刊している。

古い本であるから、デジタル化したモノを外国の電子図書館で読める。また、先程の復刊が購入可能だ。

 

  • Mechanical movements, powers and devices, Gardner Dexter Hiscox

19世紀末に出版されたかなり古い本。復刊したときの名前を参考にすれば、1800個ほどからくりがあるはず。その復刊は「1800 Mechanical Movements」という書名でDover Publicationsが出版している。ちなみに、「Elementos de Màquinas - Dispositivos Mecànicos」というスペイン語訳がある。

古い本であるから、デジタル化したモノを外国の電子図書館で読める。また、先程の復刊が購入可能だ。

 

  • Mechanical Appliances Mechanical Movements And Novelties Of Construction, Gardner D Hiscox

1904年頃が初版だと思われる、かなり古い本。同じ書名でDover Publicationsが復刊している。永久機関を紹介している点がこの本の特徴だと思う。からくりの具体的な個数は知らないが、沢山あるのは確かだ。

古い本であるから、デジタル化したモノを外国の電子図書館で読める。また、先程の復刊が購入可能だ。

 

  • Ingenious Mechanisms For Designers and Inventors, Jones Franklin D

1930年頃が初版だと思われる、古い本。クソ高価だが復刊があるらしい。からくりの具体的な個数は知らないが、沢山あるのは確かだ。ちなみに、「Mechanisms and mechanical movements」とう同著者による似た著書があるが、Ingenious Mechanismsの方がカラクリが豊富だと思う。全5巻の内の第2巻のみ、秋山武の「インヂニアス・メカニズム 最新応用機構学」という邦訳がある。残念ながら、他の巻数の邦訳を確認できなかった。

「最新応用機構学」は国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信サービスや図書館送信サービスから閲覧可能だ。古い本であるから、デジタル化したモノを外国の電子図書館で読める。また、先程の復刊が購入可能だと思う(たぶん)。

 

  • Механизмы в современной технике, Artobolevskiĭ Ivan Ivanovich

情報が少なすぎて確かなことを言えないが、からくりの類書だと思う(たぶん)。

邦訳の「現代機械技術の実例機構便覧」、フランスの「Les mécanismes dans la technique moderne」、英訳の「Mechanisms In Modern Engineering Design」がある。

Mechanisms In Modern Engineering Designを外国の電子図書館で読める。

 

その他

読んでいない本があって確かなことを言えないが、からくり関係の本だと思われる本を列挙する。ご自分で確かめていただきたい。

 

設計者のためのカム機構図例集、日本カム工業会技術委員会

必携「からくり設計」メカニズム定石集、熊谷英樹

必携「からくり設計」メカニズム定石集 Part2、熊谷英樹

​​「か​ら​く​り​設​計」実​用​メ​カ​ニ​ズ​ム図​例集​、熊谷英樹

めっちゃ、メカメカ!リンク機構99→∞、山田学

めっちゃ、メカメカ!、山田学

機械設計 2021年8月特別増大号、日刊工業新聞社

からくり改善事例集 Part1~4、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会

自動化ブックス
 ├ハンドリングの自動化図集
 ├不等速伝動装置
 ├変速装置
 ├動力変換機器
 ├動力伝達とその制御
 ├治具取付具の自動化図集
 ├制御と計測

新実践自動化機構図解集、熊谷英樹

実践自動化機構図解集  続、熊谷英樹

自動化機構300選、熊谷卓

着想メカニズム設計、和田忠太

デザインアイデア200選、田村均

メカアイデア事典、日経メカニカル

メカアイデア1454、日経メカニカル

メカ発想術、日経メカニカル

機械機構設計ノート、大滝英征

ロボットのための"機構"アイデアブック、清水優史

図解メカニカルハンド、加藤一郎

図解ロボットハンド、加藤一郎

治具・取付具実用図集、ハイラム・E.グラント

治具取付具の自動化図集、藤森洋三

機構デザイン実用アイデア図集、藤森洋三

からくり改善虎の巻 やさしい小学理科はアイデアの宝庫!、TPMエイジ編集部

自動位置決め図集、自動化技術編集部

 

機構模型

File:Cabinet-sebastien-leclerc-1713.jpg

 セバスチャン・ルクレールは18世紀初頭にパリ科学アカデミーの模型陳列室を描いた。

 機械の仕組みを視覚的に示したい時、現代では3Dモデルを画面に写してしまうのが一般的だと思う。しかし明治〜昭和のような時代では、視覚的に伝えるために模型を作ってしまうこともあったらしい。そのような時代に作られ使われたであろう機構模型を保存している(確証はない)ところを並べた。

タモリ倶楽部で放送された「気持ちいい歯車模型決定戦!!」で、機構模型が登場している。機構模型が展示されているらしい。この資料館の開館日がえらい少ないので要注意。

 

日本機械学会が認定している機械遺産の一つに「工部大学校の「機械学」教育機器およびC.D.ウエスト関係資料群」がある。その一部として機構模型が含まれており、東京大学総合研究博物館が運営に参加しているインターメディアテクで展示されている。インターメディアテクの展示物索引から展示物の写真を見れる。

昔の工作機械が多数展示されている。他にも展示物があるようで、それらの1つとして機構模型がある。事前予約する必要があるらしい。

行ったことがないので、展示しているのか知りません

2000年代初頭のウェブページに収蔵されていそうな情報があったが、現在展示されているのか知らない。行ったこと無いもん

 

収蔵しているが展示していない無いと思う。

 

ウェブサイト

  • thang010146 - YouTube

    3Dモデルが動いている様子を見ることができる。紹介されているモデルの数が多いように思えるのは私だけだろうか?篤志家なこの方は、今まで作成してきた多くのモデルを分類してまとめ、モデルの図にその説明とYoutubeのリンクを載せたPDFを作成している。
  • DMG Lib: DMG-Lib Home + News

 

あとがき

 今の所、私はこれらの情報を上手く扱うことができていない。作りたいものがなかなか思い浮かばず、からくりを作ってみようという気にならないからだ。私の現状をアナロジーで表現してみれば、「表現したい事柄を持ち合わせていない人が辞書を手に入れたところで言葉で表現するようになるのか?」な気がする。調べたことがもったいないので、作りたいものがある人たちに役立てていただきたい。

 

 文献探索で、未だ調べきれていない事がいくつかあると思う。思いつくものを以下で列挙するので、興味があればご自分で調べていただきたい。

英語圏での文献探索が得意ではないし、英語圏以外ではそもそも探していない。かの有名な機械工学者フランツ・ルーローの母国ドイツの類書は無いだろうか?フランスは?産業革命が最も早く始まったイギリスで他にも出版されていたのではないか?「実用メカニズム事典」のような「新しい本」が英語圏で出版されていないだろうか?著作権の保護期間で守られている書物の中に類書があるのではないか?(著作権の保護が切れるとネットで公開されやすくなる)20世紀の類書をなかなか見つけられないのはなぜか?からくりではなく電気電子的に問題を解決しようとする風潮が強くなってきたのか?カムのように機械的に制御して大量生産していた時代があったのだから、その時代の知識がどこかに集積されていないだろうか?特許で集積されているのか?からくりという括りで一冊の本にまとめることに意味が無くなるくらい、知識が専門化・複雑化・膨大になっていったのだろうか?

 

極座標ペンプロッタを作る

はじめに

 ペンプロッタ、特に直交座標系のペンプロッタがたくさんUpされている。だが私はそうではなく、極座標系のペンプロッタを自作した。なぜなら宗教上の理由wwwで直動案内を極力避けたかったし、構想・設計・製作からハード・制御回路・ファームウェアをとりあえず一通り経験したかったからだ。理由はどうであれ、わざわざ極座標系を選択した人の一助になればと思う。

 

目次

 

ハードウェア

 極座標のペンプロッタは主に3つの軸 R軸 θ軸 Z軸?のモータを動かして図形を描画する。真ん中のリードスクリューで中心からの距離Rを、下の回転テーブルで角度θを、上の糸巻で糸を巻き上げるとこでペンを上げ下げするZ軸を構成した。

 部品の多くが3Dプリンタ品だ。正直、工作が下手なので文明の利器を大いに使わせてもらった。3Dプリンタ最高!!

 

R軸

 一般的なペンプロッタでは、リニアシャフトのような直動案内とタイミングベルトのような位置決め部品を別々にするらしい。今回作ったモノは、リードスクリューに直動案内と位置決め2つの役割を持たせ、直動案内専用の部品を省いた。リード8mmのリードスクリューを一周200ステップのステッピングモータのフルステップ駆動で回すため、理論上は0.04mmの分解能がある(ガタツキの方が大きいのでこんなに正確に描画できないが)。フルステップ駆動で充分に細かく描画できると判断し、フルステップ駆動を選択した。しかし、この駆動形式が全く良くないことが判明して、それについて後半の「反省」で書く。

 R軸上のペンを支える部品の内部は以下のようになっている。スクリューナットでスラスト方向を、2つのブッシュでラジアル方向を拘束している。スクリューナットのラジアル方向のガタツキが大きいため、スクリューナット近くのブッシュでガタツキを抑える。

ブッシュ間距離BBとペン_スクリュー間距離PBの寸法比PB/BBが大きくなりすぎないようにして、ペン先のブレを抑えた。

 

θ軸

 秋月のステッピングモータ42SHD4002-24Bは、一周あたり200ステップある。φ200mmの回転テーブルを回すのに200ステップは荒すぎるため、タイミングベルトで1/4に減速してハーフステップ駆動でより細かく回すことにした。つまり回転テーブルは1600ステップで一回転する。

 回転テーブルの内部は以下図になっている。ブッシュを軸受けにした(ペンプロッタに転がり軸受けを使うのはもったいない気がした)。中心を貫く青色の軸と黄色のブッシュの間に遊びを設けつつも、軸を長めにすることで回転テーブルのガタツキをできる限り抑えたつもり。アイソグリッド構造からインスピレーションを受け、回転テーブルのプーリをゴッソリ肉抜きしてアクリル円板との複合構造にした。3Dプリントするのに時間がかかりそうな部品を無理なく軽量化できて少し嬉しい。

 とくに理由は無く、タイミングベルトの歯型に一番細かそうな2GTを、タイミングプーリーの歯型を円弧でモデリングした。歯型にはインボリュート曲線云々カンヌンあるらしいが、わけわからんのでパス。2GT並みに細かくなると3Dプリンタで正確にプリントできないのだから、厳密にモデリングしても意味は無いと思う。


Z軸?

 gifをご覧の通りペンを上げ下げできる。この仕組みによってZ軸専用の直動部品を省くことができた。鉛塊の重力で筆圧をまかない、糸でペンを持ち上げるようにした。鉛塊と糸でペンを上げ下げする仕組みを採用したが、全く気に入っていない。もっといい方法があるに違いないが、私の知恵が足りなかった。

 極座標ペンプロッタは直交座標ペンプロッタよりも原点のずれに敏感であると思う。直交座標系で原点がずれたとしても、横ずれして描画されるだけだ。しかし極座標系で原点がずれてしまうと、ズレた分だけ大きく描画されてしまう。原点ズレに敏感であるからこそ、ペン先の位置を調整する仕組みが必須であると思う。原点調整するための仕組みを以下のGIFのようにしてみた。ご覧の通り、ペンをつかむ位置によってペン先の位置を変えることができる。ペンの太さが少しくらい異なっていても原点に調整できるため、いろいろなペンを持たせることができるかも。

 

制御関係

ソフトウェア構成

 なぜかGRBLを使いたくなかったので、自分でプログラムを書いた。画像から描画までのソフトウェア構成はこんな感じ。

(1) 画像をInkscapeGコードに変える

(2) 自作プログラムでマイコン向けにGコードを加工し、変換する

(3) GコードもどきをArduinoで読み込んで描画する

 Arduinoのプログラムを立てるときに、以下サイトのお世話になった。

Polar Pen Machine Kinematics at Buildlog.Net Blog

座標系の変換角度0°をスムーズに超えることなど、極座標ペンプロッタの制御についていくつか指摘している。とてもためになることばかりなので必ず見てほしいくらいだ。

 

プリント基板

 モータードライバーにTB67S101ANGとSLA7070MPRTを使い、ATMEGA328PにArduinoスケッチを書き込んで制御する。描画データをSDカードに保存するので、簡単にデータを入れ替えられる。宗教上の理由wwwでPCに繋げずに独立して動作できるようにした。

 基板製作に全く自信が無かったので、JLCPCBにプリント基板を外注した。届いたプリント基板に頑張って部品を取り付けたのがこちら。

 

Gコードと座標系の変換といろいろと・・・

 画像処理してGコード化する技術なんぞ持ち合わせていないので、Inkscapeで画像をGコード化した。Inkscapeには画像をパスに変換する機能はいくつかあり、今回は線画を「ビットマップのトレース」の「中心線トレース(Centerline tracing)」で変換した。

 InkscapeGコードは直交座標系だから、ハードウェアに合わせて極座標系に変換する必要がある。また、InkscapeGコードには線の始点と終点しか載っていないため、始点と終点の間の座標を埋め合わせてあげる必要がある。つまり、InkscapeGコードをそのままマイコンに処理させることができないんジャイ。

クソ誰だよ極座標系にして、なおかつGRBLを拒否ったヤツは・・・私だよ

 

 なので気合でプログラムを立ててGコードを変換した。青い線が描画する座標で赤い線がペンを持ち上げる軌跡になっている。描画する順序を工夫すればもっと短時間で描くことができる気がするが、面倒なのでパス。

 

 

描かせてみる

 30分かけて19世紀の銅版画を描画してみた。やはり、ペンを持ち上げてから次の座標に移動させるのにとても時間がかかっていた。それに加え、ほぼ点のような短い線がデータにたくさん含まれていたため、再々ペンを上げ下げして時間を浪費していた。

画像の左端、つまり回転テーブルの外側で描画された部分を拡大した。中心がきれいに描画されているのに比べ、外側はガタガタだ。回転テーブルの一周を1600分割してみたが、外側では力不足だったようだ。中心と外側の描画精度の違いは極座標ペンプロッタの致命的な欠点だと思う。

元々の画像データがガタガタだとペンプロッタ性能が分かりにくいので、規則的なデータを描画してみる。

0.6mm間隔で線を引くとこんな感じ。隣の線と被らない程度にガタツキを抑えることができたらしい。明らかに形が歪んでいるけど・・・

フルステップやハーフステップ駆動でこれくらいガタガタを抑えたことを褒めてほしい

フンスッ!

 

反省

 いくつかの部品を簡略化することができたが、自分で考えた部分が多く未熟な部分が残ってしまった。例えば、リードスクリューとスクリューナット間でひどい騒音が鳴ってしまうことだ。ハーフステップ駆動やフルステップ駆動のような低速回転時に振動が発生する駆動方法にしてしまったのが主な原因だと思う。ステッピングモータをマイクロステップ駆動して振動を抑えて、振動を伝えにくいカップリングでリードスクリューと結合すればよさそうだが・・・制御基板から作り直す必要がありそうだ。

 ペンプロッタでペンを勢いよく振り下ろすと、ペンがだんだんオカシクなる気がする。インクの出が悪くなったり、いきなり沢山漏れだしたりとか。ペンを下したときの音が気になるのもあるが、ペンをゆっくり下すことができる機構にすべきだと思う。

 ハードウェアありきで進めてソフトウェアを後回しにしていたので、制御系が雑になってしまった。ソフトウェアを良く考えずにプリント基板を発注したので後に引けなくなったのも原因の一つだ。また、扱いずらいモータードライバーを選択してプリント基板を外注してしまったから、事前に制御系の動作確認できなかったことも大問題だった(素直にA4988を選べばよかった)。予めブレットボードで確認したらモーターの振動に気づけたかもしれないのに。もっと良いソフトウェア構成があると思うが、もう終えたことだ。知らん

 

おわりに

 お恥ずかしながら、この程度の工作が私にとって初めての計画的長期間?の工作である。(計画的と言いつつも途中変更がクソ多かったが)

ものづくりの一端を垣間見た気がするが、気のせいではないと信じたい。